「平成27年度メイクボランティア功労者」インタビュー

毎年10回以上メイクボランティアにご参加いただき、「平成27年度メイクボランティア功労者」として表彰された会員の西奈まるかさんにインタビューを行いました。

 

~私とメイクボランティア~ 会員 西奈まるかさん(神奈川県在住)

 

【1:メイクボランティアに行くようになったきっかけは何ですか?】

 

(西奈)20年位前から、理事長であるかづき先生が高齢者施設にメイクボランティアに行かれているのを知り、メイクで喜んでいただけるのは素敵だなと思い、またかづき先生の「人は、仕事とボランティアのバランスを取ることが大切よ。」という言葉に共感しました。もともと仕事が大好きで、医療の現場で17年、そしてREIKO KAZKIの講師として14年働いていますが、仕事以外でも人の役に立つことに何らかの形で関わっていたいと思ったのがきっかけです。

 

以前に医療・福祉系のボランティアの経験もあったのですが、高齢者の方とお話しながらメイクでのボランティアというのは初めてでした。お年を召した女性が話される若い頃の仕事ぶりやご家族の話は、その時代を生きてこられた映像がそのまま脳裏に焼きついているかのように生き生きと話されます。そして、メイク後に鏡を見て華やぐ瞬間の笑顔に感動したことを覚えています。女性らしい仕草や表情はいくつになっても変わらないんだな、女性として生まれてこんな風になれたら素敵だなと感じました。それ以来、東京や神奈川の関東近郊をはじめ、実家のある富山に帰省した際にはそちらでもメイクボランティアに参加して来ましたが、今回、150回以上参加しているとわかって、私自身も驚いています。

    メイクボランティアを行う西奈さん
    メイクボランティアを行う西奈さん

【2:続けられている理由は何でしょうか?】

 

(西奈)「ボランティアって何だろう」という答えを探しながらのような気がします。「1回だけでは自己満足。ボランティアは続けないと意味がない。」という、かづき先生の言葉を聞いて、「自己満足で終わりたくない」とも思いました。もともと「仕事も続ける中で自己成長できるし、見えてくるものがある」というのが信条ですので、続けているうちに答えが見えてくるかもと信じて今日に至りました。

 

最初はボランティアに行くことが楽しいというか、メイクをさせていただくことが楽しい、そんなところがありました。でも、「あなたにやってもらってよかったわ~。また来てね~。」と言ってくださり私の手をぎゅっと握ってくださる方や「こんなべっぴんさんにしてもらったら、もう一回お嫁に行かないとね(笑)」と盛り上がって喜んでくださったことが、また次への原動力になったり、やりがいを感じたり、社会の中で自分が誰かの役に立てているというモチベーションになったように思います。

 

 そして、年を重ねるにつれて自分の父が他界し母が高齢になってくると、施設の高齢者の方々が自分の父や母と同じように感じられてきて、寄り添える時間に喜びを感じ、笑顔に触れられることを幸せな時間として楽しむことができるようになってきました。

西奈さんには、豊富なボランティア経験を生かし、当会のボランティア講習会で講師としてもご活躍いただいています。
西奈さんには、豊富なボランティア経験を生かし、当会のボランティア講習会で講師としてもご活躍いただいています。

【3:印象に残っていることは?】

 

(西奈)様々な施設で、たくさんの高齢者の方とふれあっていると、色々なものが見えてきます。施設の方が一生懸命に親身になって入居者の方と関わっていらっしゃるのを拝見するたびに、自分たちだけでボランティアは成り立っているのではないと、施設の方への感謝の気持ちも新たとなります。

 

あるグループホームへ伺ったときのことです。小柄で控えめな80代の方にメイクをさせていただいたところ、施設の方が「すごい綺麗になられましたね!○○さんはね、三味線の元お師匠さんをされてたんですよ。今日みたいにきれいにして教えていらしたんでしょうね。そうだ、皆さんに一曲弾いて貰ってもいいですか?」と持ちかけられました。すると「そうね、弾いてみようかしら。」と嬉しそうに職員さんに手を引かれてお部屋に戻られました。しばらくすると三味線を持ち、なんと着物に着替えて戻ってこられました。そして、皆さんの前で長唄を聞かせて下さったのですが、背筋が伸び、目にも力が入ったその姿には、お師匠さんの面影が蘇り、ボランティアメンバーみんなが感動しました。

 

また、先日お伺いした施設には、86歳と82歳の姉妹で入居なさっていて、施設の方の配慮でお隣同士でメイクを受けて下さいました。お姉さまが「この年になって一緒にこうしていられるなんて、私たちは本当に幸せよね。」と話されるのを、妹さまがニコニコしながら聞いていらっしゃるという光景はとてもほのぼのとしていて、周りの私たちまで幸せになりました。

 

このような経験は、メイクボランティアに行かないと出会えません。そして私は、メイクボランティアでは、お会いしたときが「一期一会」なのだと思って相手の方に接しています。続けているから出会える様々な経験が、自分の生き方に何らかの影響を与えていると思います。

 

是非多くの方にもメイクボランティアに参加していただき、普段の生活では出会えない経験をしてもらえればと思っています。

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