理事長内田嘉壽子(かづきれいこ)から会員・関係者へのメッセージ(2020年4月20日)
公益社団法人 顔と心と体研究会は、2018年2月に資格認証制度に関して内閣府の公益認定を受けて以来、検定試験の実施や実技テキストの発刊など、着実にその活動を進めてまいりました。また、2014年10月の公益化以前から取り組んでいるメイクボランティア活動などについても、活発に継続してまいりました。
しかし、この新型コロナウィルスの感染拡大により、いったん活動をスローダウンせざるを得ない状況になっております。高齢者施設への訪問を取り止め、検定試験については延期を決定しました。新型コロナウィルス感染症の猛威により、既に世界で200万人以上の方が感染し、15万人を超える方々が亡くなっています。まさに、グローバルな感染拡大という未曾有の事態となっています。
ある日の午後、銀座に出る機会がありました。ほとんどの店が閉まっており、人だけでなく車も通っておらず、ゴーストタウンといえるような状況でした。しかしこれを見て、むしろ「こんなことが長く続くはずはない」と感じました。むしろ「明けない夜はない」という意を強くした次第です。
イギリスのエリザベス女王は4月に2度のメッセージを発し、“Together we are tackling this disease, and …… if we remain united and resolute, then we will overcome it,”(我々は、一体となってこの感染症に取り組み、……団結し強い意志をもって臨めば、これを克服することができる。)”We know that coronavirus will not overcome us.”(コロナウィルスが我々を打ち負かすことはない。)と述べています。これは英国民だけでなく、全世界に向かって、人類が叡智を集めてこの感染症に立ち向かうことを鼓舞するために発したメッセージだと思います。このメッセージに強く共感します。
儒教の経典のひとつ『易』に、次のような言葉があります。
「尺蠖之屈以求信也」
(尺蠖(せきかく)の屈するは、以て(もって)信(の)びんがことを求むるなり)
「尺蠖」とは尺取虫のことで、尺取虫が背を曲げて身体を縮めるのは、次に身体を伸ばして前に進むためだというのです。当法人の活動も一時的に縮小しますが、それは次に活発な活動を展開するための準備だととらえています。
最後に、日々この感染症に取り組んでおられる医療関係者の方々に深い感謝の意を捧げます。集中治療室から生還した英首相ボリス・ジョンソン氏の言うように、医療関係者とは「医師や看護師だけではなく……清掃員、調理師、理学療法士、放射線技師、薬剤師などのあらゆる種類の医療従事者」で「職場に通い続け、自分自身を恐ろしいウイルスのリスクにさらし」命をかけて戦っている人たちです。自分たちのために、また医療関係者や他の人たちのためにも、感染しない、感染させないなど、自分たちのできることを考え、実行し、この感染症の克服に協力していきたいと考えています。